2006年09月19日

危険な魚たち

食性刺性粘液性

魚は、自分の身を守るため、または捕食のために様々な方法を身につけています。多くの魚は背ビレをはじめ、各ヒレに硬く鋭いトゲがあります。サンノジ(ニザダイ)の尾柄部にある数個の骨質板やカサゴ類の頭のトゲもかなり鋭く危ない。カワハギ類の頭上の1本の角は表面がヤスリのようにざらついていて傷を負うと治りにくい。

サンノジ(ニザダイ)サンノジ(ニザダイ)

スズキのエラ洗いに代表されるようにエラ蓋がカミソリのように鋭くなっている魚も多い。

スズキのエラスズキのエラ

また強靭なあごをもつ者も多く特にヒラメウツボなど魚食性の歯やイカ・タコのクチバシには注意が必要です。

ヒラメの口
ヒラメの口
タチウオの口
タチウオの口

毒のある魚も少なくない。毒魚は大きく分けて食性・刺性・粘液性の3種類



食性

食べることによって中毒を引き起こす毒

フグのテトロドトキシンが有名です。毒の強さは青酸カリの約1200倍以上もある。テトロドトキシンは食物連鎖でフグに蓄積されるのでその含有量はその種・部位・季節・場所により違う。またフグは種の同定が難しいので素人同定は絶対にしないこと。そして料理はプロにまかせよう。

ちなみにギリシャ語でテトラは「四」、オドントは「歯」、トキシンは「毒素」の意味で、合わせてテトロドトキシン「四枚歯の毒」という意味になる。テトロドトキシン以外にも複数の毒が混ざると思われるシガテラ中毒があります。その中のシガトキシンはテトロドトキシンの約20倍、マイトトキシンは約200倍も毒性が強くマイトトキシンは今知られている海産生物毒で最強です。しかし、それほど強い毒なのにシガテラ中毒による死亡例が少ないのは何故か未だ解っていません。

ヒラマサ カンパチ イシガキダイ
ヒラマサ(左上)、カンパチ(右上)、イシガキダイ(左)

では、シガテラ中毒を起こす可能性がある魚種はというとヒラマサ、カンパチ、イシガキダイ、オニカマス、ロウニンアジ、ハタ類、フエダイ類、ベラ類、ブダイ類、カワハギ類、ニザダイ類、ウツボ類、サメ類・・・と一般的な釣りの対象魚です。しかし、どの固体にも毒があるのではなく同じ魚でも場所や季節により違いますが、特大級になると毒を持つものが多くなるようです。シガテラ中毒を防ぐ王道はない。地の人とよく話をして「海人の知恵」を身に付け地の人が食べないものは食べないことが一番です。

刺性

トゲに刺されると毒が注入され痛む。場合によっては死ぬこともある。オコゼ類、アイゴ、ゴンズイ、ミノカサゴ類、エイ類は代表的な刺性の毒魚です。魚の刺毒はタンパク質から出来ている。ただ非常に不安定ですぐに毒性が消えてしまうし1尾あたりの毒もごく微量で研究は非常に難しくまだ詳しいことは解っていないが「痛み」、「溶血性」と異種タンパク質によるアレルギー性ショック、それに痛みによるショックなどが複雑にからみ合い「致死性」を引き起こす。痛みが我慢できないときの一般的な対処法は傷口をきれいに洗いヤケドをしない程度の出来るだけ熱いお湯に痛みがとれるまでを目安に1〜1時間半ほど浸けておく(痛みを除くのと血管の収縮を防ぐ)。それでも痛みがとれない時は病院へ行きましょう。

オコゼ
オコゼ

アイゴアイゴ

ゴンズイゴンズイ

粘液性

魚の体表面にはヌルヌルの粘液がありますが、その粘液に毒性があるものもいます。ウナギ、ゴンズイなどがそれです。粘液毒は最近になって解ったものだけにまだ詳しいことは解っていませんが、ウナギの粘液1gで体重20gのマウス2,000〜8,000匹も殺せる毒性がある。魚の粘液が付いた手はよく洗い、ウナギは生きたまま持ち帰り、活きたまま調理しよう。

刺性の毒魚以外の魚種でも鋭いトゲで傷つきズキズキ激しく痛むことがある。体表粘液の毒のせいかもしれない。まだまだ隠された魚たちの毒はあると思われる。海と共生できる方法を考え学ぼう。
posted by 釣太郎 at 14:35| 危険な魚たち